第39回 情報処理学会 エンタテインメントコンピューティング研究会

吉田夏子(東京大学)

2016年3月16,17日と京都大学で開催されたEC研究会に参加してきました.まだ桜の時期には早かったですが,祇園など観光地周辺はやはり外国の方や卒業旅行などの学生で賑わっておりました.

今回のプログラムでは「引っ掛かりとエンターテイメント」をテーマに,13件の発表と越前屋俵太さんによる招待講演が行われました.広告,自動車運転,調理,グループワークや縦割り組織に向けた学習など,様々な目的に向けエンターテイメントを活用した発表のほか,インタラクションの中にあえて引っ掛かりや不便とも思える仕掛けを設けることで,エンターテイメント要素を付加する発表などが行われました.質疑応答でも活発な議論が展開され,どの発表も質疑応答の後では,より素晴らしい研究になっていくだろうという印象があり,正に研究会といった様子でした.私自身の発表も,建設的でありながらもするどいフィードバックを頂くことができ,大変勉強になりました.

京都大学川上先生の発表のご様子

京都大学川上先生の発表のご様子

招待講演では,タレントや番組のプロデューサーを務めておられ,現在は仁愛大学非常勤講師でいらっしゃる越前屋俵太さんによる「面白いの創り方」というテーマで,過去の作品やエピソードを紹介しながら,先生の思考の一部を覗かせて頂くような発表でした.普段なかなか聞く機会のないお話が聞けたばかりでなく,越前屋先生の独特の観点から出るお話は大変興味深く,研究とも通じるものがあると感じました.

その後の懇親会でも,越前屋先生を交え,学生や教員がわきあいあいとしたムードで議論を深めていました.今回の学会を通して得られたフィードバック,知見,つながりを活かし,今後も研究活動に励みたいと思います.

次回の第40回EC研究会は2016年6月2,3日 岩手県立大学で開催されます.