第43回 情報処理学会 エンタテインメントコンピューティング研究会

板橋 孝典(慶應義塾大学)

2017年3月10日(金),11日(土)の二日間、慶應義塾大学日吉キャンパス協生館にてエンターテインメントコンピューティング研究会が開催されました。

研究会では、メディアコンテンツ視聴やVR関連の研究発表に加え、鼻歌や飲み物に着目した研究のなどの多種多様な側面からアプローチした発表が多く、議論も活発に行われました。中でも個人的に興味深いと感じた研究テーマは津田塾大学の松本
華歩さんらによる「ChanJar:自由に2つの液体の混合比を変更できる水筒の開発」というものでした。飲み物の味に着目し、水筒の弁の開閉をコントロールすることでその味を変化させる研究です。利用シーンを想定した動画などが面白く、私も実際に利用してみたいと感じさせるデバイスの提案が行われていました。

私自身も、反射型光センサを利用することで身体に直接的な接触なく噛む力を推定する研究について「反射型光センサを利用した非接触咬合力測定システム」というタイトルで口頭発表を行いました。システム設計と試作デバイスを用いた評価実験について発表しました。発表後は様々なフィードバックをいただき、今後の研究活動を行う上で考えていかねばならない課題を改めて見据えることができたと思います。

今回の研究会では、一般の口頭発表の他に招待講演として、アニメ「ドラゴンボール」のベジータ役などを担当されていた声優:堀川りょうさんが登壇し、「声優、アニメに対する日本の非常識、世界の常識」というテーマで講演されました。声優の現場や、日本と海外におけるアニメの扱いの違いなどを紹介され、普通の学会発表では聞けないような話をお伺いすることができました。また、1日目の最後には懇親会が催され、所属組織を跨いだ交流が活発に行われました。

SIGEC43th 会場の様子